2013年頃からアメリカを中心に人気を高めているCBD(カンナビジオール )。リラックス効果や睡眠改善、ストレスの緩和などの効果が期待されており、ストレスの溜まりやすい現代社会において注目度を高めている成分の1つです。
日本でも徐々に認知度を高めており、幅広い製品が気軽に購入できるようになっている状況です。ただ、CBD(カンナビジオール )について調べてみると「麻」を原料に抽出されるということで「大麻」と連想されることも多く、使用に対して不安を持っている方もいるでしょう。
体への有害性や中毒性、依存性などCBD(カンナビジオール )を使う前にはっきりとさせておきたいところでしょう。
今回はCBD(カンナビジオール )の有害性や中毒性について確認していきましょう。
CBD(カンナビジオール )に対するWHO(世界保健機関)の見解
CBD(カンナビジオール )に対して、国際的な研究によってさまざまな症状を緩和する効果が実証されつつあり、将来的な病気の治療への可能性も示唆されている中で、新しい成分に対する安全性についても注目が集まっています。

やはり気軽に購入できて日常的に使用する上で、CBDが安全で中毒性のない成分であることが明らかでないと不安に思う人もいるでしょう。
ここでは、WHO(世界保健機関)とECDD(薬物依存に関する専門委員会)が2017年に実施した「CBD(カンナビジオール )事前審査報告書」の内容を元にCBDへの評価を確認していきます。
「CBD(カンナビジオール )事前審査報告書」
http://cannabis.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20171206225443-F93DD6CFE8B1C092970601FFD88BDBE2E5F96AE8B22F18642F02F65C6737547F.pdf
こちらの報告書の中では第6章に「ヒトにおける有害反応」、そして第7章に「依存の可能性」、第8章に「乱用の可能性」に関する評価が記載されています。
1つ1つの内容をチェックしていきましょう。
ヒトにおける有害反応
CBDの有害性について、この報告書では以下のような評価を下しています。
「CBD が THC のようなカンナビノイドで典型的に見られる効果を産み出さない。」
「CBD の潜在的な治療効果を数多くの管理されたオープン試験を横断的にみると、良好な安全なプロフ ィールをもち、一般的に良好な忍容性(許容性)がある。」
THC(テトラヒドロカンナビノール)は、大麻に含まれている成分で精神活性作用を引き起こします。いわゆる「ハイになる」という作用があり、ドラッグとして日本では規制の対象となっています。
その上でCBDはTHCのような効果を生み出す成分ではないことが示されています。つまり、THCのような精神活性作用を生み出すような成分ではないということです。
同じ麻を原料に抽出されている成分ではありますが、CBDはいわゆるドラッグとは異なるものであり、安全性についても確保されているという評価を得ています。
依存の可能性
いくら安全でも依存性が確認されると使用を躊躇してしまう人も多いでしょう。この報告書ではヒトへの臨床試験によって依存の可能性に関する報告を行っています。
「CBD の潜在的な身体依存効果(例えば、離脱症状や耐性)に関するコントロールされたヒト研究 では、報告されていない。」
CBDはニコチンやアルコールによって生じる身体依存効果を持たない成分であることが報告されています。
乱用の可能性
CBDは先ほども触れたように安全性が確保された成分でもあります。しかし、いくら安全だからといっても過剰摂取や用量用法を逸脱した使用方法では体に対して悪い影響を及ぼしてしまいます。
CBDの効果を期待して許容量以上の摂取を行うような「乱用」の可能性があってしまうと良くありません。
これについて、こちらの報告書ではヒトへの臨床試験によって「CBDの乱用可能性」に関する評価を下しています。
「十分にコントロールされたヒトの実験的研究からのエビデンスはCBDが乱用可能性と関連しないことを示している。」
乱用の可能性に関するさまざまな研究が行われた中で、CBDが乱用を引き起こす可能性が低いことが評価されています。
CBD(カンナビジオール )は他の中毒症状を緩和できる?
CBDは安全かつ中毒性の低い成分であることが国際的に認められている成分です。確かに、粗悪な商品が流通するリスクはあるのですが、信頼性の高いメーカーの商品を選ぶことによって回避できます。

また、CBDに関して注目が集まっていることの1つに、CBDが他の中毒症状を緩和できる可能性があることが指摘されています。
イギリスのユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)が発表を行った研究では、CBDがニコチン中毒の緩和に効果的であることが指摘されています。
記事の内容を一部抜粋すると
「The study found that after a single dose of CBD treatment, heavy daily smokers find smoking-related cues less visually attention-grabbing. As visual cues – such as seeing friends smoking – often trigger relapses in those who have quit, CBD could help people stop smoking.」
「1回のCBD投与によって、重度のヘビースモーカーは喫煙に関連する視覚的な影響に対する関心が減少したことがわかった。視覚的な情報(例えば友達がタバコを吸っているなど)が禁煙を失敗に終わらせることがしばしばあるため、このような結果はCBDの禁煙に対する有効性を示している」
https://www.ucl.ac.uk/news/2018/may/cannabis-component-could-treat-nicotine-addiction
禁煙にチャレンジをしたことがある人であれば共感できることかもしれません。禁煙中に「タバコを吸っている人を見る」などの視覚的な情報によって、自分もタバコが吸いたくなるという状態はよく起きることです。
CBDを摂取することによって、こういった視覚的な情報に惑わされなくなる可能性が指摘されており、これはCBDが禁煙に効果的であることの証左だといえます。
体に有害な影響を及ぼすニコチンやタールといった成分を含むタバコを辞めて、CBDに切り替えることができれば、タバコの依存症を克服し、安全に代替品を見つけることができるでしょう。
また、CBDはタバコの代替品というだけではなく、アルコールやその他の中毒症状を緩和させる効果が期待されており、将来的に依存症の治療に用いられる可能性もあります。
まとめ
結論として、CBD(カンナビジオール )は中毒性の低い成分であり、安全性も国際的に認められています。CBDに対して不安を抱いている人も多いかと思いますが、安心して始めることができるのではないでしょうか。
CBDを日常生活に取り入れれば、日々のストレスを緩和しながら、生活の質を向上させることができます。注目度の高まっているCBDをぜひ試してみてください。
CBDが気楽に始められる