リラックス効果やストレスの緩和、睡眠などの効果で知られるCBD(カンナビジオール )。最近では、美容分野における効果にも注目が集まっています。
CBDには鎮痛作用や抗炎症作用などの効果もあると認められており、CBDオイルを直接肌に塗るといった使い道も出てきています。
今回はそんなCBD(カンナビジオール)と美容の関係について詳しくまとめていきます。
美容とカンナビノイドの関係
CBD(カンナビジオール)と美容の関係性について紹介していく上で、今回は2018年9月9日に行われた日本臨床カンナビノイド学会の第4回学術集会・総会にて、青山エルクリニックの杉野宏子氏によって発表された「美容とカンナビノイド」という資料を使います。

青山エルクリニックは美容医療を専門に扱っているクリニックで、化粧品の選択や軟膏の塗布などのエイジング治療を行っています。
しわやたるみ、肌のお悩みを解決し、美しく健康な身体をサポートしてくれます。
海外のさまざまなCBD製品について
「美容とカンナビノイド」では、現在海外を中心に流通しているさまざまなCBD製品が紹介されています。

- CBDオイル
- CBDグミ
- CBDリキッド
- CBDペット関連商品
- CBDクリーム
- CBD化粧品
- CBDボディケア、入浴剤
これらの事例を示しており、美容関連のCBD製品も数多くあることが示されています。
疼痛緩和や皮膚炎、ニキビなどに効果のあるクリームや保湿、抗酸化、シミ・シワ、アンチエイジング、シャンプーなどの化粧品にもCBDが使われています。
CBDに認められている機能表示
化粧品などでは「〇〇に効果がある」などと書かれてあるものが多いですが、これらの効果については一定の審査を通過したものでないと表示が認められないものもあります。
逆に言えば機能表示が認めれている効果に関しては、有効性や安全性などが確かであると評価できます。
その上でCBDに認められている機能表示には以下のようなものがあります。
- 抗ニキビ効果
- 抗酸化
- 収斂剤(毛穴を引き締める効果)
- 皮膚保護剤
- 肌の調子を整える
さらに化粧品成分として以下のような作用が表記されていることが確認されています。
- 抗酸化
- 抗脂漏性
- 皮膚調整
- 皮膚保護
これらの効果が国際的にも認められているといえます。
皮膚にエンド・カンナビノイド・システムが存在している
CBDが美容に効果的な理由について、1つ挙げられるのが「皮膚におけるエンド・カンナビノイド・システムの存在」です。

エンド・カンナビノイド・システムは身体調整機能でもあり、強い外部ストレスによって睡眠や食欲、免疫などのバランスが崩れてしまいます。CBDの摂取によってエンド・カンナビノイド・システムの働きを正常に戻すことができ、これがリラックスやストレスの緩和に繋がっています。
同様に皮膚にもエンド・カンナビノイド・システムやカンナビノイド受容体が存在しており、以下の4つの役割をになっています。
- 表皮の恒常性維持
- 痛みの感覚の調整
- 皮膚の炎症の調整
- 皮膚付属器の調整
皮膚の健康を維持するためには、エンド・カンナビノイド・システムを整えることが重要であり、CBDの摂取が美容への効果を持っていることで美容治療の新しいアプローチが可能なのではないかといわれています。
シミやシワ、たるみ、ニキビ、毛髪、皮下脂肪沈着など皮膚や皮膚付属器、皮下組織に関与する問題についてCBDの効果が期待されています。
CBDの効果と美容効果の関連
老化の原因として以下のようなものが挙げられます。

- 酸化:紫外線による光老化、活性酸素、表皮メラニンの増加、コラーゲン、エラスチン破壊
- 糖化:AGEsの蓄積、コラーゲン、エラスチン硬化
- 炎症:酸化・糖化
これらの原因に対してCBDが「抗酸化」「抗糖化」「抗炎症」に効果を保つことが期待されています。
美容治療にはこれまで注射や機器を使った治療やアンチエイジング、老化の予防的治療を身体の中と外からアプローチしてきました。
CBDの美容への効果は美容治療の新たなアプローチとして期待できます。
皮膚へのCBDの効果と美容治療への可能性について
CBDを美容治療へ用いる場合、2つの方法が考えられます。
- 皮膚への塗布
- サプリメントの内服
最近の文献からこれらの方法でCBDを用いることでどのような効果が得られるのか紹介していきます。
「カンナビノイドの科学」という文献では、CBDの効果について以下のものが挙げられています。
- 表皮ホメオスタシス維持
- 痛みの調整
- 皮膚の炎症の調整
- 皮膚付属器の調整
これらの効果からCBDの皮膚への塗布が新たな治療手段になる可能性が期待されています。
皮膚ホメオスタシス維持によって、毛髪の成長、皮脂産生、メラニン生成、繊維芽細胞活性、皮膚炎症管理に効果があります。
皮膚炎症の調整は抗ニキビ、抗炎症作用に役立ちます。
さらに、CBDの皮膚治療における文献からは以下の効果が示されています。
- 尋常性ざ瘡
- アレルギー性接触性皮膚炎
- 皮脂欠乏性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 汗腺膿瘍
- 皮膚瘙痒症
- 皮膚癌
- 全身性強皮症の兆候
また、研究としては十分ではありませんが、サプリメントとしてCBDを摂取することで皮膚症状を予防することも示されています。
- 抗炎症作用
- 皮脂生産を減少
- 脂腺細胞増殖を減少
- 抗菌作用
など
CBDクリームや軟膏の塗布による皮膚治療の症例も報告されており、CBDの美容治療への発展に期待が集まります。
まとめ

CBD(カンナビジオール)といえばリラックスやストレスの緩和など生活の質を向上させる効果やさまざまな症状の治療への活用などについて注目が集まることが多かったですが、美容分野での活用にも可能性を示しています。
CBDが持つ抗炎症作用や抗酸化作用などが美容の強い味方になる日が来るかもしれません。
CBDオイルを肌に塗る方も多いですが、CBDが持つ美容効果を考えればさまざまなメリットが得られるでしょう。
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